こども本の森 熊本

『こども本の森 熊本』は、
建築家の安藤忠雄さんの未来を担う子どもたちの豊かな感性や創造力を育むため、
更には熊本地震からの復興を応援したいとの思いから、子どもたちへ贈られた図書館です。

“本からの感動は生きるための力になります。

常識にとらわれない広い視野で物事を考え、勇気をもって行動する力。
一人でも多くの子ども達にその感動を味わってもらいたい、
熊本から、元気に明日の世界へと飛び立ってほしい。”という願いが込められています。

 
Message

安藤忠雄さんからの
メッセージ

 「こども本の森」は、活字離れが進む子どもたちに、本の楽しさ、豊かさを知ってもらおうと始まったプロジェクトです。コンセプトは官民一体で取り組む、今を生きる大人から未来を担う子どもたちへの贈り物です。

 建物を計画する上でいつも大切に考えているのは、子どもたちが「自由」を感じられる場所に、という点です。どんな本を選んでも、どこで読んでもいい。外に持って出ても構わない。「敷地全体が閲覧室」のイメージです。管理の問題など考えると難しい所もありますが、その点、熊本は、県立図書館との一体的な運営が可能な立地で、かつ隣には美しい自然公園が広がるという好条件。とても理想的な形で「自由」を表現することが出来ました。「熊本から世界へと羽ばたく子どもを育てたい。」プロジェクトに関わったすべての人が、この想いを共有していたからこそ、実現したのだと思っています。

 人間は、刺激的な出会いを求めて旅に出ますが、ページをめくるほどに新しい世界が広がる、本もまた心の旅です。そこで得る感動は、常識にとらわれることなく、自分の頭で考え行動できるというような、「生きていく力」の肥やしとなるものです。施設を訪れた子どもたち一人一人に、人生を豊かにする大切な一冊との出会いが訪れることを期待しています。

安藤忠雄さん

撮影:閑野欣次

Message

本館名誉館長 
宮崎美子さんからの
メッセージ

 人生は一度きりですが、私は女優というお仕事をとおして様々な役を演じ、いろいろな人生を疑似体験してきました。でも、本はもっと自由だと思います。衣装やセット、時間や空間の制限もなく、魔法の世界にも、宇宙にだって、どこへでも行けてしまうのです。本の中に広がる自由な世界はとても素敵で、本の中から現実の世界に戻って来ても、心が元気になります。本の効用って凄いなあと思うんです。

 「こども本の森」には、安藤さんの、子どもたちに対するあふれる思いがたくさん込められています。今、私は、県外に住んでいますが、いつも故郷熊本を想っています。ですから、この大切な「こども本の森 熊本」の名誉館長を任せていただくことを、とても嬉しく思っています。

 感受性豊かな子どもたちが、本の森の中で、本を手にした時の重さ、紙のにおいや手触り、開いた時のワクワク感を体全体で感じてほしいなと思っています。本を読んで、空想したり、夢見たり、友達と出会ったり、そして、「新しい世界が始まるんだな」という感動を子どもたちが体験する場に、「こども本の森」がなってくれればいいなと思います。

 故郷の子どもたちが、ここから、元気に羽ばたいていくお手伝いができたらいいなと思っています。

宮崎美子さん

平成28年熊本地震について

2016年4月14日、16日。

平成28年熊本地震は、震度7の揺れが28時間以内に2度発生するという、歴史上、例を見ない大規模災害でした。
272名の尊い命が失われ、負傷者2,738人、20万棟近くの家屋被害が生じています。(2020年3月時点)

また、熊本県のシンボルである熊本城は傷つき、雄大な風景が魅力的な阿蘇地域も至る所で土砂災害が発生し、
幹線道路が寸断されるなど、甚大な被害を受けました。

発災から4年が経過し、この経験を教訓とし、世界へ発信するため、
県内各地に点在する震災遺構等を巡る回廊形式のフィールドミュージアム「熊本地震 記憶の廻廊」の整備を進めています。

こども本の森 熊本ができるまで

令和4年(2022年)

8月23日
熊本県と安藤氏(株式会社安藤忠雄建築研究所)で「こども図書館(仮称)整備に係る協定」を締結。
12月18日
「こども図書館」キックオフフェスティバル(イベント)を開催。

令和5年(2023年)

2月
令和5年2月定例議会(後議)において、負担付寄附受納に係る議案及び基金条例の制定に係る議案が可決。県民参加型の運営を目指し、その取組みの一環として寄附金の御協力の呼びかけを開始。
4~10月
有識者で構成する選書基準作成等委員会議を設置し、4月から6月にかけて選書基準やテーマ等について協議
5月10日
こども本の森 熊本の新築工事の着手
6月及び8月
図書寄贈の取組みを県下全域で実施し、合計24,000冊を超える寄贈をいただく。
7月29日
安藤忠雄氏を招いて講演会を開催。
11月28日
館名称、名誉館長、ロゴマークの発表
12月5日
俳優の宮崎美子氏に名誉館長を委嘱

令和6年(2024年)

4月7日
オープニングセレモニー及び内覧会
安藤忠雄氏講演会
4月8日
開館

ロゴデザインについて

Bookの「B」のアルファベットが、本の形をした蝶となり、羽ばたいているイメージ。
蝶は、生命や成長の象徴とも言われており、こどもたちの創造力が、本を読むことを通じて羽ばたいてほしいとの願いが込められています。
3匹の蝶が集まることで、「森」の漢字を表現。

制作·監修
小山薫堂
株式会社デザインフィル 橋本美穂

建物概要

構造:鉄筋コンクリート造、一部木造 2階建て
延床面積:約460平方メートル

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